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【ことば】孫氏の兵法

中国古代・春秋時代の武将・戦略家であった孫武

彼が説いた戦略や戦術に関するノウハウはいずれも有効性が高いもので、現代においてもなお軍事面で研究されているようです。そして孫武の考え方は軍事研究のみならずビジネスにおいても役に立つということで注目を集めており、「孫氏の兵法」は普遍のマスターピースとなっているわけです。

というわけで、孫武が残した数々の戦争論、ビジネス戦略論の中に覚えておきたいものがいくつかあるのでまとめておきます。

 

 

兵は詭道なり

戦争もビジネスも所詮は騙し合いである。

 

・兵は拙速を聞く

短期決戦、早期収束を目指せ。

 

・百選百勝は善の善なすものに非ず

百選百勝することが最善ではない。戦わないで敵を降伏させることこそが最善の策である。

 

・上兵は謀を討つ

最高の戦い方は、事前に敵の意図を見破り封じることである。

戦上手は守りについたときは兵力を隠して敵につけ込む隙を与えない。攻める時はすかさず攻め立て守りの余裕を与えない。

 

・勝ち易きに勝つ

無理なく自然に勝つ。なので、勝った時もその活躍や知謀はひと目につかず、その勇敢さは人から称賛されることもない。勝つのは目的なのだから。

 

・勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む

あらかじめ勝利する体制を整えてから戦うものは勝利を収め、戦いをはじめてから勝機をつかもうとするものは敗者となる。準備が8割。

 

・戦いは正を以て合し、奇を以て勝つ

敵と対峙する時は正規の作成で、敵を破るときは奇襲作戦で。

戦わずして勝つのが最善ではあるのだが、戦わざるを得ない場合は万全の準備をし、一瞬の瞬発力で勝ちをかっさらう。

 

・勢に求めて人に求めず

戦上部はまず勢いに乗ることを重視し、ひとりひとりの働きに過度に期待をしない。プロジェクトの開始段階でかなら有効な考え方と言えると思います。大型プロジェクトで実践したい思考。

 

・人を致して人に致されず

相手の作戦に乗らず、逆に相手をこちらの作戦に乗せるのが上手い戦い方である。

 

・進みて防ぐべからずはその虚を衝けばなり

敵の虚を衝けば敵は防ぎ切ることはできないだろう。敵の虚はなにか?アンテナ、洞察力を働かせよ。

 

・兵を形するの極は無形に至る

戦争態勢の真髄は敵にこちらの動きをキャッチさせない状態、つまり無形であることにある。形骸化された組織からの脱却。新しい状況の応じていつでも再構築できるような柔構造の組織こそ強い。

 

・迂直の計

わざと遠回りをして敵を安心させ、敵よりも早く目的地に達せよ。敵の油断を誘え。

 

・囲師には必ず闕き、窮寇には迫ること勿れ

敵を包囲したら必ず退路を開けておく。また窮地に追い込んだ敵に対して必要以上に攻撃を仕掛けてはならない。窮鼠は猫を噛む。

 

・しばしば賞するは、苦しむなり

将軍がやたらと賞状や賞金を乱発するのは、行き詰まっている証拠だ。

 

・故にこれを令するに文を以てし、これを斉うるに武を以てす

兵士に対しては温情を持って教育するとともに、軍律を持って統制を図らなければならない。

部下から恐れられながら同時に親しまれるような上司を目指す。

 

・兵を知る者は動いて迷わず、挙げて窮せず

戦上手は、敵、味方、地形の三者を十分に把握しているので、行動を始めてから迷うことがなく、戦いが始まってから苦境に立たされることもない。仕事にも活かせる考え方だと思います。

 

・はじめは処女の如くして、後には脱兎の如し

最初は処女のように振る舞い敵を油断させ、そこを脱兎のような勢いで攻め立てられれば敵はどう頑張ったところで防ぎきれない。

 

・利に合っして動き、利に合っせずして止む

有利な状況、必勝の態勢でなければ作戦行動を起こさない。まして怒りにまかせて軍事行動を起こすのは愚の骨頂。情勢が有利であれば動き、不利とみたら中止する。

 

・爵祿百貫を惜しみて敵の情を知らざる者は不仁の至りなり

爵祿や金を出し渋って敵の情報収集を怠ることこそ馬鹿げた話はない。

 

呉越同舟の計

呉と越はもともと敵同士ではあるが、たまたま同じ船に乗り合わせた時暴風に遭った。そんな時はたとえ敵同士であろうと協力して助け合う。